草原を守るこころは、深く知ることによって育つ。
町古閑牧野 組合長
市原啓吉
どこにでも転がっている石ころかと無造作に拾いポケットに入れて歩いていたら、じつはそれが世界でも珍しい貴重なものだった。
畜産農家の市原啓吉さんは、阿蘇の自然をそんな比喩で語ります。
あまりにも身近であるため、たとえばこの草原に棲む動植物が生物学的にどんな価値をもっているかを見落としがちだ、と。
町古閑牧野組合長であり、小中学生への草原教師でもある。
「知ることによって、守るこころが生まれます」
という信念で、生態系のふしぎを、生命の貴さをていねいにわかりやすく教えている。
守ることの大切さをくりかえし説いているのは、なによりも本人自身がこの草原を尊敬しているから。