おふくろの年季と素材の良さ、顔がほころぶ味がここにある。
阿蘇おふくろ工房
鎌倉美和子(写真右)
ハウス農家として働きながら、漬物を作ってご近所に配る農家ならではのよくある風景の中にいた。
阿蘇おふくろ工房で働き始めたのは平成十五年。それからは仲間とともに漬物を中心とした農産加工品を作ってきた。
「お客さんの声ば聞いたらそれに応えんといかん」七十歳代が中心の十人に満たない女性たちは、急な大量注文にも休み返上で応える。
少ないメンバーならではの苦労もある。
高齢などを理由に一人抜けるとそれを埋めるのは大変だったが、仲間たちと協力しながらなんとか乗り越えてきた。
新商品開発にも手を抜かない。
「次は手作りのあか牛ハンバーグを始めるところです」
仲間たちとの信頼を大事にしながら、無添加・無着色を頑なに守り、これからも漬物の味付けは塩と唐辛子だけだ。