リンドウ農家 井野寿一

掲載された内容は取材時のものです。

吸いこまれそうな青紫。咲くたびに感動です。

リンドウ農家
井野寿一

熊本県花であり阿蘇市花でもある、可憐なリンドウ。
花言葉は「あなたの悲しみに寄り添う」。
陽を受けたときだけ開き、傷つきやすい心を思わせて美しい。
井野寿一さんはそのリンドウの栽培を二十年余つづけています。
叔父が長野県でこの花に惚れこみ、苗をもらってきたのが始まりだった。
標高七百メートルの高冷地、夏も涼しくエアコンはもとより、
「扇風機も何年か前に壊れたっきり……」
花も人も、高原の風に恵まれる。
「種を蒔いてから出荷するまで三年かかる植物です」
長い目で、ていねいに見守って育てていかなければならない。
ピンクや白の品種もあるが、やはりリンドウといえばあの青紫だ。
「吸いこまれそうな色です。何年やっても咲くたびに感動します」