農家の台所の、味と人情を持ち寄ります。
JA阿蘇町女性部 加工班「あすか」
永富美津子
季節の野菜などで仕上げる煮しめは、室町時代の生活教科書『庭訓往来』にもその名が見えるというから、わが国の食卓にのぼってきた歴史は長い。
永富美津子さんがリーダーを務める「あすか」は、その煮しめや太巻き寿司をはじめ、まんじゅうやおはぎや粽に至るまで「農家の家庭の台所」をそのまま持ちこんで、みんなで丹念につくりあげる「味わい製造所」です。
日々の食卓はもちろん、慶弔の席にも重宝がられ、引く手あまた。
素材を持ち寄り、アイデアを持ち寄り、ワザを持ち寄り、できあがったら配達もみんな女性陣(人生のベテラン)でこなします。
目新しいことはせず、伝統的なものをたっぷり手間かけて作る。
「そうだ、むかしはよくこういう味を母さんが作ってくれたもんや」
というなつかしさを思い出し、だれもが深くうなずきます。