掲載された内容は取材時のものです。
日本にこういう牧場があるなんて思いもよらなかった。
エル・パティオ牧場
大山裕一郎
大学時代、カナダに留学してカウボーイという職業にじかに触れた。
大山裕一郎さんの突き進んでゆく道はここで決まった。
「いざやってみたら、なんとも激しい茨の道ではありましたが」
海の向こうで身体の芯までこの仕事の厳しさを染み込ませて帰国した。
阿蘇外輪山の一角に開かれたエル・パティオ牧場でヘッドトレーナーに。
「日本にこういう牧場があるなんて思いもよらなかった」
しかし、阿蘇は気候風土的にどこかカナダに似ている。快適だ。
テキサス、オクラホマを駆けずり回って馬を何頭も買いつけるという仕事も信頼して任せられている。
どの馬もトレーナーの身ぶりひとつに敏感に反応。じつに従順で賢い。
調教のコツはといえば、「プレッシャー&リリースです」。
こころを育てるには、厳しいだけでも優しいだけでもだめ。馬も人も。