一五九二メートルの山も仙人にとっては、ちょいと散歩。
阿蘇山遭難事故防止対策協議会
籔亀 勲
仕事が忙しく、若いときには登山などできなかった。
四十歳過ぎて「阿蘇にのぼる会」に入会し、山の魅力に開眼する。
籔亀勲さんの本業は建築業、腕の立つことで知られる大工さんだ。
「屋根は登れば揺れるが、山は登っても揺れんけん」
北アルプスなど名山をしょっちゅう踏破している。
けれども、阿蘇の高岳のすばらしさはちょっと他にはない、そう明言します。
長年、阿蘇山遭難事故防止対策協議会の理事として、登山客のガイドや、事故を未然に防ぐためのサポートに携わっている。
すでに古稀を過ぎているが、並みの健脚ではない。
朝起きて、ふらりと高岳(一五九二メートル)に登って降りて、それから仕事に出かけるなんてこと、この仙人であり鉄人にとって珍しくない。
「いつだったか四日間で十一回登ったけど、ちっとも飽きなかったね」