阿蘇料理維新の会 漆原 宏

掲載された内容は取材時のものです。

手抜きなどという語は、料理の辞書にはない。

阿蘇料理維新の会
漆原 宏

平成二十三年のことだった、内牧の宿の料理長たちが集まった。
それぞれに得意ワザはちがうし、キャリアもまちまち。
けれども阿蘇を誇りに思う気持ちと、料理に向かうこころざしは同じだ。
ならば交流の会を発足させよう。食の職人同盟である。
名前の案をみんなで出し合い、決まったのが「阿蘇料理維新の会」。
地域のためにひとつやってやろうという意気と覚悟、熱い気分がその名に表われる。
人徳が見込まれて、代表に推されたのが漆原宏さん。
父も和食の料理人だった。その父から自立して修業の道に入る。
きびしい時代をすごしたのち身を定めた阿蘇・内牧への愛情は深い。
維新の会は、月に一度の阿蘇マルシェの朝食に腕をふるう活動を皮切りにほかの地では見られない「阿蘇の食文化」の確立をめざす。
料理はワザだけでなく……、維新の会々長はこう断言する。
「ズバリ、気持ちです」。