外輪山を腰の強い山にすること。
あすなろ企画
山部博典
人間にとって必要なものすべてが山にある。
林業三十年の山男、山部博典さん(写真中央)は言う。
生態系、自然のありさま、それらと向き合い共生するための人間の貴い工夫と知恵のすべては山に始まる、と。
たしかに私たち人類の祖先は樹上で暮らしていたほうが長かったのだ。
若き研修生が、この山男に惚れてやってくる。
皆が皆、都会の若者だ。高学歴だ。林業の素人だ。
「木を植えるということは、一生それを見つづけて生きていくこと、そんな仕事って、ほかにないです」
と、まっさらの感性で飛びこんできた若者は目を輝かせる。
(阿蘇の林業に)希望が出てきたよ、と山部さん、
目指すは、「外輪山を腰の強い山にすること」