どうせ造るなら店だ、店ならバーだ。
大塚豆腐の台所
大塚健司
素朴なたたずまいの豆腐料理の店の隣に、ビリヤード台のある洒落たバー。
ミスマッチというか、絶妙のハーモニーというか。
このふたつ、どちらも大塚健司さんが切り盛りしています。
若き日、東京・横浜を拠点にバーテンダーやDJの仕事に就いていた。
二十五歳で阿蘇に戻り、祖父の代からの豆腐屋の仕事に従事する。
が、都会のキンキラキンの日々からすれば、
「退屈で、退屈で……」
そこから先は、いろいろ回り道があったけれど、自家の畑だった地に大量のレコードを収納する倉庫を造る案が出て、
「どうせ造るなら店だ、店ならバーだ」
となった次第。
三年後に本願の豆腐料理の店をオープン。
今は、水と豆の奏でる作品づくりに日々没頭している。
「やっと、豆腐の世界の妙がわかってきたような気がします」