掲載された内容は取材時のものです。
日本一周バイクの旅で見えてきたもの。
阿蘇び心
吉澤寿康
泊まると凄さがわかる地だぞ、阿蘇は。
そうした吉澤寿康さんの実感が、古い民宿を買い取って始めたゲストハウス「阿蘇び心」のバックボーンだ。
生まれも育ちも広島県福山市である。
二十七年間、バス旅行のツアーコンダクターとして全国各地を巡った。
「阿蘇への興味はさらさらありませんでした」
それが視点のせいと知ったのは、仕事をやめて日本一周バイク旅行に出てから。
バイクの旅は、通り過ぎる旅ではなく見据える旅だ。
その視点から確信した。
春夏秋冬はむろんのこと、朝昼晩でかくも顔つきがちがう地は、日本全国、阿蘇以外にない。
移住を決意する。そして、世界に発信する宿を作ろうと決めた。
全国から旅で知り合った友が駆けつけ、手造りの「遊びごころ」が完成した。