掲載された内容は取材時のものです。
阿蘇はブラジル最古の国立公園に似ている。
アソビーゴスポーツクラブ
吉野貴彦
大学一年のときスペインへ、大学卒業後にブラジルへと向かったのは、いずれもサッカー留学である。
そして二十九歳でブラジルの永住権を取得する。
吉野貴彦さん、筋金入りの蹴球男だ。
妻子はサンパウロ市に住み、本人は阿蘇とサンパウロを往復し、日本・ブラジルのサッカー交流に献身的に活動する。
むろん生易しい道ではなかった。
永住権を得てサンパウロで事務所を開くが、
「軌道に乗るどころか、鳴かず飛ばず、事はうまく運びませんでした」
そして、こんどこそラストチャンスという背水の陣が訪れた。サンパウロFCを招いての交流戦「熊本市制一〇〇周年記念サッカー」のプロデュースだ。
これが大成功。国境を越えたサッカー文化の太い河が流れ始めた。
いま、阿蘇の人工芝サッカー場を拠点に少年からプロまで幅広いサポートを展開する。
阿蘇の自然はブラジル最古の国立公園イタチアイアに似ている、という。
「サッカーは感覚のスポーツです。
壮大な自然のなかで感受性を磨くことが有益です」