掲載された内容は取材時のものです。
料理は、愉しく悦びのあるものでなければ。
オルモコッピア
竹原直樹・さとみ
扇を半開にしたような美しい樹容で知られる日本の代表的な広葉樹、欅。
店の前にその木が二本、シンボルツリーのように立っている。
「店名のオルモはイタリア語で欅、コッピアは一対のの意なんです」
つまり店の前の一対の欅と、店を守る仲のよい夫婦の両意だろう。
二〇〇八年の夏、結婚してまもなく「二人の店」を始めた。
竹原直樹さんの実家の、築百五十年の蔵を改造したその店構えはじつに趣に富む。
オーガニックをベースとしたメニューによく似合うが、
「なにがなんでも完全オーガニック、とは考えていません」
それではちょっと窮屈だと思うからだ。
やはり料理は、愉しく悦びのあるものでなければ。
人気メニューは中央に車麩の乗った「畑の野菜のワンプレート」。
常連客に言わせると
「まちがいなく阿蘇名産の定番となるね」。