人間として大事なことを教える、この大自然。
Team ASO
荒木 博
東京の大学で学び、アメリカへ渡ったあと、ふるさと熊本に帰り、阿蘇外輪山の一角に開かれた牧場の仕事に携わる。
「五十五歳からは、好きなことをやろうと決めていました」
退職後、写真撮影に没頭する。
阿蘇ほど被写体に恵まれた地はないのだ。
胸がつぶれるような出来事が起きた。二〇一二年の大水害だ。
そこで、さらなる衝撃が追いうちをかける。若き写真仲間たちがネット上にあげる映像が悲惨な状況写真ばかりだった。
「これじゃあ、風評被害を煽るようなもんじゃないか」
「元気な阿蘇発信集団」Team ASOは荒木博さんの信念として立ち上がった。
そもそも阿蘇へ来たのは、学校でいじめに悩んだ娘を思い、
「人間として大事なことを教えるのは、あの大自然にかぎる」
そう決断したからだ。いま、娘は優しい母となってがんばっている。
チームを結成して丸三年。抱負はひとつ、
「世界の阿蘇を発信していくこと」。