民謡師範 内野朝美

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掲載された内容は取材時のものです。

物語の情景がありありと浮かぶように歌いたい。

民謡師範
内野朝美

楚々とした立ち姿だ。いかにも優美である。
ところが、熊本民謡の代表格「おてもやん」の朗唱が始まると、あたりの空気全体がいっぺんで張りつめ、昂揚する。
若き民謡師範、内野朝美さんの歌声は聴く者の心を揺り動かさずにおかない。
少女時代、典型的なおばあちゃん子だった。
大好きなおばあちゃんを喜ばせたい、その一心で、そうだ、民謡を習おうと決めたのは十九歳のとき。
はじめてお師匠さんのナマの民謡を聴いたときのことは忘れられない。
「あまりの感激で、わたし、鼻血を出しちゃったんです」
民謡で鼻血を出す人など他にいないだろう、それこそが特異な才能の表われだった。
めきめき上達し、二十四歳で師範の免許を取得し、二十八歳で熊本県の大会でみごと優勝、翌年の全国大会にも出場した。
「物語の情景がありありと浮かぶように歌いたいです」
そして、阿蘇の子どもたちにこの文化をしっかり伝えていく決意だ。