人生にとってスポーツがいかに素晴らしいか。
火の山スポーツクラブ
松本久義
瀬戸内海に浮かぶ芸予諸島のひとつ伯方島に生まれ育った。潮風が子守唄だった松本久義さんが、青年となり山と草原のまちに暮らすようになったのだから、縁とは異なものだ。結びつけたのは「スポーツ」である。
高校のころから、「アメリカへ渡って、プロスポーツの裏方の仕事がしたいと思っていました」。選手ではなく裏方というところが興味深い。派手を好まない性格なのだ。
そのアメリカ行きは実らなかったが、スポーツマネージメントへのこころざしは深くなった。
大分県の大学に進み、そこで出会いがある。ブラジルと日本を行き来する吉野貴彦氏だ。氏からサッカーの指南を受け、ブラジル国のスポーツに対する考えを学んだ。
卒業後、いったん故郷に戻るも阿蘇に吉野氏の関わるサッカー場ができたことを契機に、この地を活動の拠点にと決断する。「それからはスポーツ漬けです」。
現在は、総合型地域スポーツクラブ「火の山スポーツクラブ」のスタッフとして欠かせぬ存在となっている。
熊本地震後は避難所を回り、エコノミークラス症候群対策の体操を指導した。子どもからお年寄りまで、人生にとってスポーツがいかに素晴らしいかを実感してもらう、いわば伝道師。
もはや、火の山そのものの熱血スポーツマネージャーである。