掲載された内容は取材時のものです。
女性が活躍できる職場づくりに、貢献したい。
阿蘇広域消防本部
竹内美晴
それは、テレビで東日本大震災の映像を視た瞬間だった。甚大な被害を受けた現場で救助活動を続ける消防士の姿を見て、医療系の専門学校に行くと決めていた進路を変えた。
「病院は患者さんを待って助ける仕事。私はあの人たちのように自分で現場に行って人を助けたい」と強く願った。
救急救命士の資格が取れる学校に進み、阿蘇広域消防本部の『女性職員第一号』となる。
人が少ない分、いろいろ経験できる。たくさん勉強しなくてはならないが、やりがいは大きい。
昨年末、宮地の火事に出動。炎を見て竦んだが、「早く消せ~!!」の声に体が反応。「無」になって動いた。乙姫の火災では煙に包まれ、死ぬかと思った。山林火災では20kgの水を背負い、男性隊員に置いて行かれた。「大丈夫?」と言われて発奮。訓練にないことが現場で起きることも知った。
生まれは、鹿児島県志布志市。「お調子者、目立ちたがり屋、気が強い」と自己分析。通常勤務は24時間。車両点検や訓練、勉強の合間に、先輩たちと朝晩2食を自炊する。
「将来結婚しても続けたい。女性が活躍できる場面もたくさんあると思うので」。
身長156cm。小柄な体に、大きな野望が燃えている。