次から次へと、調べたいことが顔を出す。
阿蘇ホタルの会
湯浅陸雄
主宰する阿蘇ホタルの会では、ホタルの生息マップを作るとともに、平成12年度から「1年1研究」を掲げて様々な調査結果を発表。
その功労が認められ、平成22年度「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰を受賞した。
農協の畜産技師として家畜の人工授精の指導をしていたので、農家に人脈があった。
先人の方の伝承をたどり、市内の桜の銘木調査、阿蘇草原の基礎データ、内牧の小川の調査などに着手。どれも目と手と足を使って情報を集め、レポートにしている。自然保護の専門家からも「そげんかねぇ!!」と感心される成果も少なくない。
なかでも「残しておきたい故郷のしきたり」は、パソコンのない時代に2年かけてまとめた。
「鶏が夕方まで餌を食べる時は雨が近い」「夕焼けは天気が良くなる」など自然から見た天気の指標も、「先輩の言うことは間違いないと確信しました」。
ひとつのテーマを調べると、副産物のように別の知識が広がっていく。
「若い娘に怒られながら」習ったパソコンで資料を作り、惜しみなく公開する。『阿蘇の生き字引き』と呼ばれる由縁だ。
阿蘇の誇れる景色を見ながら、一日の終わりに飲む一杯の焼酎は、最高の歓びである。